過去もっとも苦労したフィギュア
どん なにシンプルなキャラでも、真面目に造型すれば、どれもそれなりに苦労するものです。
でも、もうこれだけは 二度とやりたくないというくらい苦労したのが、このガッパ夫婦です。
8センチの中に20センチフィギュア並みの密度が要求されるイワクラフィギュアですが、このフィギュアはもともと15~17センチくらいあるので、30センチフィギュア並みの密度を盛り込もうと作り始めました。
ガッパはウロコあり、体毛あり、ツノあり、クチバシあり、イボイボあり、ザラザラあり、シワシワあり、さらに手があるくせに翼が生えているという生物の進化をまるで無視したかのようなデザイン(^^;)
これ一体作ればモンスター造型に必要な全スキルが身につくのではないかという、原型師泣かせのキャラクターでした。
結局、室長業務をしながらではあったものの 1体作るのに2ヶ月、夫婦2体で4ヶ月を要しました。
よく、このウロコはどんなウラ技作ったのですか?と尋ねられますが、ウロコ造型に近道はありません。粘土が柔らかいうちにヘラで一枚づつ作り起こしました(*_*)
でもウロコって作っている間にコツがわかってどんどん上達していくんですよ。(^^;)だから右足のウロコを作り終えたころには左足のウロコが気に入らない。
オスのウロコを作り終えたら、今度はメスのウロコが気に入らない…という感じで無限地獄に落ちるのですよ。
そんなこんなで、このガッパ二度と作りたくないけど、作ってよかったと思える作品ですね。
ps.余談ですが日活映画唯一の怪獣であるこのガッパ、まるでオッサンがゲロを吐くような、叫び声もさることながら、設定資料を読むと口から吐く光線は、その名も「殺人爆破光線!!」せめて殺人か、爆破か、どちらかで許してくれよと…以下省略
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