ダイモン好きのメカゴジラさんのコメントもいただいたので
私が作った過去の妖怪大戦争のダイモンを2点紹介してみましょう。
これは既に持ってる人も多いでしょうけど、ユージン様のトレーディングフィギュアとして5年前くらいに販売された食玩サイズのダイモンの原型です。
私がスカルピーを使って初めて作ったスカルピーデビュー作でもあります。
まだ焼き方が慣れてないので、あっちこっち黒く焦げてますね(^^;)
思い起こせば、仕事がなくて困っていたフリー時代(そんなんばっかか 笑)先輩原型師の柴田幸房さんから電話がかかってきて、
「妖怪10体以上作らなあかんから何体か作ってぇや」との突然の電話で引き受けたお仕事で、このシリーズでは未発売の2体も含めて4体作ってます。
お次はハイパーホビー読者限定としてイワクラから販売されたダイモン胸像です。
製作中の途中経過の写真が残っておりましたので、順を追って紹介していきましょう。
まずいつものように中に入っているスーツアクターを造型します。
ダイモンに入っていたのは大魔神を演じた橋本力さん
上から粘土をかぶせてしまうので、目鼻口の位置さえあっていればいいのですが、
ダイモンの着ぐるみは、人間の目がそのまま露出しますので眼孔周辺はグラフィック社の「大魔神秘蔵写真集」の橋本力さんへのインタビュー記事の写真を参考に造型します。
口や耳などはここで作っても意味が無いので割愛します。
写真でもわかりますが、黒目さえ入らなければ実は橋本さん、優しい目をされてます。
表面にスカルピーを盛り付けていきます。
この映画の妖怪たちの顔の面構成が、日本の能面や仏像などの伝統彫刻に酷似しています。
おそらくこの当時の着ぐるみ製作をしていた人たちは伝統彫刻に日常慣れ親しんでいたのでしょうね。
手元の資料では立体が把握しにくい部分は般若の面などを参考にして造型しました。
写真でもそうですが、まだ現段階ではダイモンは優しい顔をしています。
色を付けて完成です。
ご覧のとおり橋本力さんの優しい目は鋭い黒目と、大映京都撮影所に舞い散る特殊効果用の芋粉で充血したといわれる白目を再現することで、こんなに怖いダイモンの顔になってしまうのです。
そんなこんなで完成したダイモン胸像、いつか全身にもチャレンジしてみたいですね。
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