初代ゴジラ原型
当初、このフィギュアは私の作ったゴジラに、弊社原型師の中村亘くんの作った勝鬨橋ベースをセットして
劇中の勝鬨橋を破壊するシーンを再現する予定でしたが、
弊社で唯一メカや建築物がまともに作れる中村くんが急なご身内の不幸で、今回の納期での原型製作が不可能となり、再度このゴジラを使った印象的なシーンを検討した結果、
東京湾でのF86セイバーとの戦闘シーンになりました。
勝鬨橋シーンを期待されていた関係各位の皆様、この場を借りてお詫び申し上げます。
ということでF86セイバーとの戦闘シーンを立体化することになったのですが、
戦闘シーンと申しましても劇中、ゴジラはネコパンチらしきものをしきりに繰り出していますが、真面目に戦う意思はないらしく、
セイバーのロケット弾は沢山発射されるのですが、50メートルの巨体を持つゴジラにかすりもしません。
(戦後すぐで有能なパイロットが不足していたせいでしょうか?)
本来なら最高の見せ場になりえたかもしれないシーンなのに不思議な展開です。
でももっと不思議なのはこんなにヤル気の無い戦いなのに、岸辺に集まった群集は「いいぞ!!いいぞ~!!」などといって声援を送っています。
なにがどういいのでしょうか?私なら「アホんだらぁ~!!もっとしっかり狙って撃たんかい!!この税金ドロボー!!」とか叫ぶと思いますが(^^;)
余談はさておき初ゴジ原型ですが、バランやショッキラスに比べれば資料も豊富なので、造型自体はとくに難しいものではなかったのですが、
いままでの弊社ゴジラ商品と違って背びれが立派な初代は、背びれのパーツを3列とも独立したもので作らないといけないので
大量生産時に簡単に組立てられるようなパーツ分割にするのに、思った以上に時間と手間をとられました。
写真は完成した原型で、現在国内にて大量生産中です。
初代ゴジラは著名な原型師の方々が素晴らしい作品を沢山残しておられますが、
今回はおそらく初ゴジ模型としては初めての試みとして、「下半身をぶった切り!!」というかむしろこれは欠点ですね…笑
いやいやそうじゃなくって「口を閉じている初代ゴジラ」を作ってみました。
「あれ?初代ゴジラって口開けたままじゃなかったっけ?」と言われる方もいるかもしれませんが、よくみるとセイバーとの戦闘シーンでも、かなりパクパク開閉してます。
当時、口の開閉ギミックを2号スーツに付けたという話は聞かないので、たぶんスーツの揺れなどでパクパク開閉していたのだと思います。
ですが僅かに存在する口を閉じている初ゴジの顔は、知的で、たまらなくカッコイイのです!!
ゴジラでも恐竜でもそうですが、商品化されるときは、なぜかみんな口を開かせますが、
爬虫類などでも、一日のうち大半は口を閉じてますし、口を閉じている怪獣や恐竜ってすごく哲学的な顔で私は好きです。
口閉じ初ゴジいかがなもんでしょうか?
※このフィギュアは今週18日(日曜日)の広島のイベントのselection様のブースで協力店支援商品として第一回販売を行います。
この商品のご購入、イベントの場所などについて詳しくお知りになりたい方はselection様 TEL082-244-1599までお問い合わせください。
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コメント
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>口を閉じている怪獣や恐竜って
>すごく哲学的な顔で私は好きです。
同感です!
流石、大学卒業制作でアロサウルスを造った男。
昭和怪獣が得意で、さらに生物や解剖学の
知識も豊富な人って実は珍しいかも。
口を閉じた状態で造ると、突然顔の大きさが
変わって(凄く小さく見える)、それにつられて
全体のバランスも違ってくるんですよね。
最初から口を開いた状態で造形すると、バランス取りで
迷う事が多いので、下あごを別パーツ化しておいて
口閉じ状態で仮止め、バランスを見て最後に
下顎の角度を決定したりもします。
口閉じで造っておくと、歯並びや噛み合わせも
ある程度まで合わせられたりしますしね
(資料が有る場合に限りますが)。
恐竜に関しては、私は最近の作品では
「口を閉じても歯が露出しない説」を
採用する事が多いのですが、より哲学的な
顔になっていると思います。迫力は全くないですけど。
先日のG-1飲み会では、藤村さんの対面に座る事が
出来まして、じっくり怪獣トークを聞けました。
楽しかったですよ。
投稿: ふらぎ | 2005年12月15日 (木) 19時44分
>下あごを別パーツ化しておいて
>口閉じ状態で仮止め、バランスを見て最後に
>下顎の角度を決定したりもします。
やっぱりふらぎさんもそうされてましたか(^^)
私は自分でデッサン力が無いほうだと思っていますので、顎なんかも仮止めしたり外したりを繰り返して、その都度バランスを確認しながら作ることが多いです。
造型用スパチュラの件もそうですが、
お互いに教えあったわけでもないのに偶然同じ道具や、同じ技法で作っていることって多いですよね。
やはり色んな道具や技法を使っても、皆同じようなところに落ち着くのは不思議ですね。
>恐竜に関しては、私は最近の作品では
>「口を閉じても歯が露出しない説」を~
最近の学説では恐竜に唇がありました説が主流みたいですね。
先日ピータージャクソン監督の「キングコング」を見てきましたが、V-REXが、昔懐かしい唇無しの歯むき出し造型だったので、私の世代にはとても懐かしく感じました。
あっ歴史からも恐竜図鑑からも抹消されたブロントザウルス(映画にでるのはこれが最後でしょうね)が沢山でてきたのも嬉しかったです。
投稿: いの | 2005年12月21日 (水) 00時56分