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2014年4月

2014年4月18日 (金)

「ミニラ」参上!!

 

まだまだ続きます。過去の作品を振り返るコーナー

今回は2005年に発売されたゴジラ特撮大百科 Ver.3 ゴジラの息子篇の「ミニラ」です。

いつも通りスカルピーによる造型ですが、ミニラはウロコなどもほとんど無いので、

あっという間に出来てしまった記憶があります。

でも食玩サイズだからよかったものの、これを30センチで作ろうものなら(誰も作んねーよ(笑))

それはそれは間延びした体表をどうまとめるかが原型師のセンスの見せ所でしょうね。
でもウレタン着ぐるみ特有のシワを付ける作業はなかなか楽しかったです。

こちらは原型をレジンに置き換えて塗装したもの↓
上から見下ろすと人間ぽい顔ですね。

01_3

こっちは商品版↓

下から見上げるとカエルっぽい顔になるのがミニラの特徴です。

Dsc00008_4

怪獣マニアには悪評高いデザインのミニラですが、自分は昔から大好きです。

こういう顔の子、クラスに必ず一人はいますもんね(笑)

そして自分に子供が出来ると、さらにコイツが可愛く見えてきます。

劇中「イヤイヤ~」をするシーンなんか息子そっくりで、

ミニラが息子に見えるというか、息子がミニラに見えてきます(笑)

それはさておきこのゴジラ特撮大百科 Ver.3 ゴジラの息子篇、

タイトルにゴジラと入っているのにゴジラのフィギュアが入っていないという

前代未聞のチャレンジャーな商品だったのに、シリーズで一番売れたんですよね。

ほんとあの頃の食玩バブルは凄かったです。


Minira_2

2014年4月16日 (水)

国内デビュー作「西洋妖怪ダイモン」

Image_2

これは今から13年前に発売された私の国内デビュー作の
トレーディングフィギュアコレクション 大映特撮シリーズ 妖怪百物語 其 の一の「ダイモン」です。
なぜ「国内」と付けるのかと申しますと、本当のデビュー作はエクスプラス社が海外限定で販売していた「アンギラス」なのですが、
日本では個人輸入でもしなければ買えないシロモノでしたので、これが国内デビュー作となります。
いま観ると…ヘタクソですね〜。
でも怪獣と違い、頭が小さいので高さ10mm幅5mmのしかない頭部を作るのが大変だった記憶があります。
そして本体よりも大変だったのがコレ↓

Image1

ダイモンの杖です。
粘土使いの自分には、ウロコとかよりこういう幾何学的な固いモノを作るほうが大変でした。
この仕事が自分のところに来た経緯はこちらをご覧いただくとして、
実は「クルマニクラス」の記事にも少し書きましたが、
このダイモンにはちょっと「恐い話」があるのです。
この「妖怪百物語」シリーズは何人もの原型師が参加して作っていたのですが、
商品製作に先立って行われた四谷神社でのお祓いに呼んで貰えなかった自分たち関西原型師チームは
みんな「祟り」とも言える恐ろしい目にあったのです。

まず私ですが、原型をオーブンで焼いていた最中に、オーブンの蓋を開けたら突然バックドラフトのような現象が起きて、
オーブンから火が噴き出し、幸い火事にはなりませんでしたが、9割近く完成していたダイモンの原型が炭化しました。
時を同じくして「一つ目小僧」を作っていた恐竜造型で有名な徳川くんは、日本在来種で唯一の毒蜘蛛に噛まれダウン。
「から傘(だったかな?)」を作っていた伊藤さんは、自己所有のクルーザーで海に出掛け、
謎のエンジントラブルで遭難し海上保安庁に救助される始末!!

さらに完成した商品サンプルを保管していたら、これまた漏電が原因と思われる小火が発生し、
こちらも発見が早く火事にはなりませんでしたが、ダイモンを含め、ピンポイントでユージンの商品だけが灰になってしまったという…
いままで商品版のユージンの商品の画像が無かったのはそういう理由です。

劇中ではご祈祷をしているお坊さんが焼き殺されるシーンもあり、ただの偶然なんでしょうが、
ダイモンが原型、商品ともに火災に遭い二度も焼失したのは本当に不気味でした。

やはりお祓いをせずに妖怪で商売しようとするとダメですね。
なのでイワクラで妖怪フィギュを作る際には、安倍晴明で有名な京都の清明神社でお祓いをしましたが、
ご祈祷の最中に京都を震源地とした地震が起きて地面が揺れ、
またもや恐い思いをしたものです。

そして今、ブログに写真をUPするために再びダイモンを手に入れましたが、
火の元やコンセントの近くには置かないようにしています。

2014年4月15日 (火)

SR 特撮ヒーローPプロコレクション「クルマニクラス」

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最近デジタルな記事ばかりになりましたので、
久しぶりに過去のアナログ原型の作品も振り返ってみましょう。

ブログの過去の作品を観ていてふと気付いたのですが、
ユージンさんでの仕事で、商品版の画像が無いんですよね。
原型の依頼は受けたけど結局企画倒れになったってのも多いんですが、
商品化までこぎ着けたものも、手元にあった商品サンプルが「恐い事故」により焼失してしまったんですね。
恐い事故ってのはちょっとオカルト系の話になるので、
また今度にしますが、最近ヤフオクでSR 特撮ヒーローPプロコレクションスペクトルマンの
私が原型を担当した「クルマニクラス」を200円で落札できたので画像をUPします。
(※画像は暫定的なものです。後で貼り直します。)

このクルマニクラスは、当時まだスカルピーの造型に慣れていなかった自分のスタンピング実験台みたいな作品です。
痛々しい車のタイヤ痕は、タイヤのトレッドパターンの型を作ってスタンピングで表現しましたが、
その他の体表のディティールも、梅干しの種、ナツメグ、クルミ、しわしわにしたサランラップのスタンピングで再現しました。
押し付けたモールドが素直に転写されるスカルピーのきめの細かさに大喜びして、いろいろ試していましたね〜。
大変資料の少ないキャラクターで苦労しましたが、自分的には結構納得できた作品です。

デジハリ「デジタル原型師」育成オンライン講座 レビュー(3)

Tutanramen

二つ目の課題の「ツタンラーメン」です。

解説もとても分かり易くゆったり進むので、特に理解しづらい部分は無かったです。
やはり原型製作に特化したカリキュラムなので、情報のてんこ盛りになるという事はないので、
初心者にはこれはメリットですね。

ただし、ひとつだけ注意点があります。
これからこの講座を受講される方は是非気をつけて欲しいのですが、

・作ったモノがたとえ作例と似ていなくても、とりあえず次のレッスンを観てみる事です。

わかりやすく例え話で申し上げますと、
たとえば料理番組などで、オーブンに入れる前の料理と、オーブンから出て来た料理がまるで別物(笑)とか、
CM前の作りかけの料理と、CM後の試食タイムの出来上がった料理がまるで別物(笑)という場面がよくありますよね。

まさにそれです。
なので、前のレッスンで作例と寸分違わぬモノをスカルプトしても、
次のレッスンがはじまると前回作例からかなりブラッシュアップされて
カタチが変わってしまったモノが登場したりします。

そしてそのブラッシュアップされたモノを使って、その後のレッスンは進んで行きます。
これはこの講座のすべての課題作品に共通して言える事なので、
はやる気持ちを押さえて、とりあえず一つ先のレッスンを観てから、
一つ先のレッスンに登場しているモノをゴール地点だと思って作業していけば、
スムーズにレッスンを進めていけると思います。

もっとも、あくまで課題は課題なので、そこまで作例に似せる必要があるのか?という考え方もあるかもしれませんが、
いついかなる時でもクライアントを意識して、作例や資料を尊重するというプロ意識は持ちたいものです。
原型で飯喰うようになると、自分の作りたいように作れる仕事なんて90%ありません!!←元プロ原型師の私が言います!間違い無いです!

という事で「ツタンラーメン」ですが、
このキャラクターは幾何学的な要素が多く「ぴーちゃん」に比べたら、タブレット操作にかなり精度を要求されます。

自分は仕事でアドビのIllustratorを使っており、たった1mmのズレが始末書モノという生活を送っておりますので、
幾何学的な要素を含んだ作業はキッチリと作らないと落ち着かないのですが、
頭にかぶっている冠は、真っすぐな線をフリーハンドで引いてマスクで塗りつぶしていくという場面がでてきます。

線を引く時にブレをある程度補正するLazyMouse(レイジーマウス)という機能はありますが、
それでもタブレットに慣れてないとプルプルしちゃいます。

こんな凄いソフトなのに、Illustratorのように簡単にポイントを打って多角形を作ったり、
ベジェ曲線のように描いた後アンカーポイントを使って調整したりできんの?
なんでこんなに一発勝負のソフトなの!!
線を引いてる最中にクシャミしたらアウトじゃん!!と頭の中で混乱しつつ、
まあこれはZBrushであってIllustratorでは無いのだからと自分をなだめ作業してました(苦笑)

そして、この課題の後半は、ブーリアン機能を使った楽しい楽しい分割作業です。
これはアナログ原型師だった自分にとっては驚きでした。
パーツの分割やダボの作成って、アナログ原型では結構難しく、
かつ破損などのリスクも高いのですけど、
こんなに自由自在に分割出来るもんなんですね。

ZBrushをはじめて触った時に自動的にシンメトリーで造型してくれる機能にデジタル造型のメリットを感じましたが、
アナログ造型では地味だけど非常に重要で大変な分割作業が
容易にできるのは、それと同じくらい大きなメリットですね。

Tutanramen2

デジハリ「デジタル原型師」育成オンライン講座 レビュー(2)

Hiyoko_4

まず講座全体の構成ですが、全3ヶ月です。
最初は基本操作を学ぶための「基本編」のレッスンしか観られず、
2ヶ月目から「応用編」となる美少女フィギュア製作のレッスンが観られるようになり、
受講をはじめて2ヶ月半くらい経ったあたりで、
3Dプリンターでの出力を学ぶ「出力編」が観られるようになりました。

※ただ、全体の進行状況を観て調整しているのか、単に出力編の動画が公開されたのが受講期間終了直前だったせいなのか、実際には受講期間が1ヶ月延長されました。

講師は(株)グリフォンエンタープライズの福田博行さんです。
グリフォンといえば自分にとっては美少女ではなく、非常に出来の良い恐竜フィギュアを思い浮かべますし、
講師の福田さんも個人的に古生物のデジタル復元をされているらしいので、
どちらかといえば自分はそっちのレッスンを受けたいところですが、
やはりフィギュア業界の7割を占める美少女フィギュア製作の講座になってしまうのは致し方ないですね(^^;)

実際に受講をはじめてみての感想ですが、
ま〜ったりしてます。

いや悪い意味ではなく自分にはちょうど心地よい速度です。
前述のZBrushベーシックの和田さんのラジオDJ並みのマシンガントークは、非常に聞き取り易く無駄が無いのですが、
あまりにも速すぎて、一時停止ボタンや巻き戻しボタンの上に指を置いて30秒ごとに押さないと
デジタル初心者の自分では理解がついていかず、置いてけぼりを喰らってしまう状態でしたので、
自分で作業をしながら聴くにはちょうどいい速度です。

収録スタジオがよほど寒かったのか鼻をすすったり、手を擦り合せる音までそのまま収録されており、
福田さんのやわらかい語り口調もあって、生身の人間に教えてもらってる感満載です。
ZBrushのメニューやブラシには舌を噛みそうな複雑な名前のものが多いですが、
毎回同じところで噛んだり、名前を言い間違ったり、他にもスカルプト中の美少女フィギュアの顔が突然無くなっていたり(笑)といったハプニングなども、いろいろ収録されていて肩の力を抜いて和みながら受講できます。

現在も2期生を募集している講座なので、受講内容はあまり詳しく書いてしまうと問題があるので書きませんが、
基本操作の解説は必要最小限度で割とあっさりした感じです。
当然2.5Dエディットモードとか、ポリペイントとか、ましてUVマッピングなんて応用編でも擦りもしません。
あくまでデジタル原型に特化した講座なので、将来CG屋やゲーム屋になる予定が無く、
ZBrushをフィギュアの原型製作にしか使う予定の無い自分にとっては、まさに願ったり叶ったりの内容です。

でっ…最初の課題である「万年ひよこのぴーちゃん」完成しました。
レッスン内容自体は、あらかじめZBrushベーシックなどで基本操作を予習していた事もあり、
特にわからない所もなく、スムーズに理解できました。
ですが手作業で粘土つかえば10分で出来そうなこのキャラでも、
当時、ZBrushとタブレットの操作に慣れていなかった自分にとっては、
トサカが斜めに生えちゃったり、二本生えちゃったり、「ここでつまづくか?」という予想外なところで地味に苦労しました。

Hiyoko2

2014年4月14日 (月)

デジハリ「デジタル原型師」育成オンライン講座 レビュー(1)

Photo

学校に通う時間の無い自分のような会社員でも、お家に居ながらにしてオンラインでZBrushの技術が学べるという、
デジハリことデジタルハリウッドの「デジタル原型師」育成オンライン講座〜美少女フィギュア編〜やってみました。

なんとこの講座の存在に気付いたのは締め切りの一週間前!!
しかも先着100名様限定で割引価格で受講できるらしい…

※ちなみに自分が申し込んだのは1期生ですが、なぜか現在募集中の2期生でも割引価格である事には、あえて突っ込まないようにしましょう(笑)
一期生は100名集まらなかったのでしょう…たぶん(汗))

しかし正直迷いました。
約10万円という学費もさる事ながら、自分はアナログ原型の技術は、ほぼ独学ですので、
正直、専門学校とかでわざわざお金を払ってフィギュアの作り方を学ぶ人を、
そんなの金持ちの道楽だ!!と、ちょっと軽蔑しておりました。
きっと現役でバリバリZBrushを使っている人からすれば、
「そんなの自分で手動かして、本読んでネット観てればなんとかなるっしょ!!」と言うはず。
自分がアナログ原型作ろうとしてる人に相談されたら、きっと同じ事言いますもん(苦笑)

でも、思い返せば自分がイワクラで後輩原型師の育成をしていた頃、
ろくに粘土も触った事が無い新人たちをプロレベルにするのに、
3ヶ月しかかかりませんでした。
自分が100通りの方法を試して5年かかって習得したアナログ原型製作の技術を、たった3ヶ月です!!

もちろん自分は1の答えを見つけるために99の失敗を経験してるわけですから、
サクッと近道しか教えていない教え子に負ける気はしませんが、
ですが先人に近道を教えて貰うという事は、膨大な時間と労力を節約できるというのを実感しました。

ましてフルタイム残業ありの本職を持ちながら、家で子育てをしていては
99通りの失敗などしている暇はございませんので…と自分で自分を説得して…(笑)
今回は素直に人に学ぶ(時間をお金で買う)事にしました。

妻が前々から希望していた子供部屋のリフォームにお金を出すのと引きかえに、
自己啓発のために10万円使う事を、なんとか許諾して貰いました。
ほんと理解のある妻に感謝です!!

では次回から実際に講座を受講した感想など書いていこうと思います。

2014年4月10日 (木)

なんかわかりませんが…ごめんなさい(^^;)

前々から気になってたんですが、
このブログのページランクと言われるものが異常に高いらしく、
なぜそんなにページランクが高いのかわからないのですが、
たとえばヤフーやグーグルなどで「原型師」で検索すると、
原型師のブログとしてはトップに表示されてしまうんですよ。

世の中にはもっと有名で凄い現役原型師の方々が沢山居るのに、
元プロ原型師だったけど、現在はデザイン系の職場でMacと一日睨めっこしてる自分のブログがヒットしてしまうという…
なので原型師としてお仕事の依頼やテレビ番組などへの出演依頼が来る事も多く、
お断りするのが申し訳ないです(汗)

100歩譲って、たしかに自分は元プロでフィギュア原型で飯喰ってましたから、
原型師でヒットするのは良しとしても、昨日や今日、ZBrushをはじめたばかりなのに、
「ZBrush フィギュア」で検索すると、このブログがトップに表示されてしまうのですよ(苦笑)
それこそ「山」で検索してるのにエベレストや富士山を差し置いて、
標高4.3mの大阪の天保山がヒットするようなもんです。

という事で、このブログを訪れた方…私謝る筋合いでもございませんが…ごめんなさい(^^;)
フィギュア原型もZBrushも、今は趣味や副業でやってる会社員の
ユル〜いペースで進行してるブログなので、
現役のプロのガチの最先端情報をご希望の方はブラウザの「戻る」ボタンを押して、
その道の現役プロフェッショナルの方のブログをお探しください。

2014年4月 7日 (月)

まだ粘土にさよならしませんから…(^^;)

最近、「粘土よ…さようなら」という日記を書いたうえに、
ZBrushをはじめとしたデジタルな内容ばかりUPしているので、
知人の方から「もう井野さんは粘土をやめて、そっちの世界の人になってしまったのですか?」
というご心配(?)を頂いたのですが、ご安心下さい。
将来的にはフィギュア業界のデジタル化の流れは止められないと思いますが、
現時点では将来への備えとしてデジタルスキルの習得に励んでいるだけで、
すぐに粘土を捨てたりはしません…というかできません(苦笑)

なぜなら3Dプリンタによる出力には高額なコストが掛かるからです。
メーカーの原型師だった頃は、そんな事気にする必要はありませんでしたが、
今のように個人であくまでイベント中心で当日版権のフィギュア販売をする場合、
自分が1日で販売するのはせいぜい50個くらいです。
人気の美少女フィギュアとかならこの5倍はいくかもしれませんが、
怪獣フィギュアなんて当日限定販売ではせいぜい売れてもこれくらいです。
1個1万円前後で販売すると50万円ですが、
そこには当然、材料費や量産に必要な機材などのコストは含まれておらず、
粗利はせいぜい25万円くらいです。

ところがですよ!!
3Dプリンタの出力は簡単な形状でも10万円くらい簡単に吹っ飛びます。
まして自分の作っている尻尾だの背鰭だの羽根だの付いてる怪獣なんかはパーツ数も増えるので、
その倍の20万円はかかります。
この前作った「キンゴジ北方軍事基地を襲う!!」くらいの豪華ベースなんてつけようものなら…もう…想像するのも恐ろしい。
当然、量産品1体にそれだけお金掛けるわけにはいきませんので、
結局は今まで通り、3Dプリンタから出力された原型をシリコンで型取りしてレジンで量産することになります。

おわかりですね…

利益ゼロっていうか大赤字です。

今までは
原型制作→シリコンで型取り→複製
だったのが、
原型データ制作→出力サービスで出力→シリコンで型取り→複製
になってしまうのです。

アマチュアだった頃は、修行だと思ってこういうのでもオーケーですが、
いちおう元プロ原型師で妻子も養い家のローンもたっぷり残ってる現状では、
たとえ趣味でも利益を生み出さねばなりません。
妻がZBrushを使うための高額な環境だの書籍だの、
フィギュアを量産する真空脱泡器だのにお金をじゃぶじゃぶ使っても許してくれるのは、
その投資が家計を助けると信じてくれているからです(苦笑)

でもかつてPCのメモリが1メガ1万円だったのが、
いまは1万円あれば8ギガ(8000メガ)は買えますよね。
3Dプリンタの出力コストはそれほど値下りする事にはならないと思いますが、
それでも技術の進歩で、そう遠く無い未来に1/3くらいにはなると思います。
それくらい敷居が下がってこそはじめて趣味レベルや個人レベルで利用出来るようになるでしょう。

自分は仕事をしながら、あれやこれやと趣味を掛け持ちするのは苦手なので、
いまは3DCGの分野に集中しているだけです。
またしばらくしたら粘土もこねると思いますよ。

田島光二作品集 & ZBrushテクニック レビュー

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この本マジでオススメです!!
前半は作品集、後半はメイキングといった感じですが、メイキングは、基本操作ができる人を前程におもいっきり端折られてる…というか
基本操作なんて書いていたら、本がもう一冊できてしまうので、何も知らない人がこの本を買ってもチュートリアルとしては意味が無いと思います。

ただこの本は、そういう小手先の話ではなくて、読んだ人をヤル気にさせてくれる本です。
ます著者の田島さんの若さにびっくり!!
若干23歳なのに高校時代までは専門的な美術やCGの勉強をした事が無かったとか、
それが23歳ですでにハリウッドで大活躍って、いったいどういう密度の勉強をしたのでしょうか?

それに比べれば、自分の人生の密度っていったい何だったんだろうとすら思えて来ます(笑)

でも逆に40歳で妻子持ち、自由な時間もほとんど無い自分でも3年くらい勉強すれば、
ZBrushでそこそこの作品が作れるようになるのでは?とすら思えてきます…え?プラス思考?(笑)
彼が生い立ちを語った素晴らしい前書きを読んだらモチベーションMAXまで上がりました。
この本を買おうかどうか悩んでいる方はとにかく本屋で前書きだけでも読んでください。

まず前半の作品集のクオリティーの高さに驚き、
3Dではない2Dのセンスもよい!やはり絵心は大事なんですね。

そして後半のメイキングの彼の作品の作り方にすごく親近感を覚えました!!
まず彼はこれから作るもののラフスケッチとか普段は描かないそうですし、

ZBrushの作業工程でも、正攻法ならZスフィアとZスケッチで、
骨組みとなるベースメッシュを作って…となるのでしょうが、
スフィア(球体)で頭を作ったかと思ったら、
そこからぐにゅ~と引っ張って身体や手足を付けて行く適当さ(笑)
もうこの行き当たりばったりとも思えるユルい作り方が、彼の意図しないユルい文章と相まって、
なんだか肩の力を抜いて、自分でも作れそうな気がしてくるから不思議なものです。

さらに、ZBrushには数えきれない程のブラシが搭載されていますが、
作例の中で使用しているのはメインで使用しているブラシは、ほんの5種類くらい。
たとえばレイヤー機能なんて「何それ?」って感じで登場すらしません。
でも最終的に出来たものは超絶クオリティー!!(笑)

一部の限られたツールしか紹介しないというのは欠点ともいえますが、
自分は、むしろこの本の長所だと思います。
3DCGのデータは、その使用用途によって作りもかなり変わってきます。
映画やゲームなどで使用して、ぐりんぐりん動かす場合は、
それを前程とした作り方でないといけませんよね。

でも用途によっては、こういう作り方もありよ!っていうZBrushのスカルプトの自由度を教えてくれたという点で、大変価値ある本でした。

自分もアナログ造型では、スケッチなんて描きませんし、
道具だって、つまようじと粘土ベラ2本くらいしか使いませんし、
頭からいきなり作って、粘土継ぎ足して胴体作っていったりして、
でも最終的には商品原型完成させちゃうタイプでしたから、
彼の作り方を観てると、他人事とは思えず、すごく共感できる部分があります。
なによりも彼が言っている

「まず現実世界にある形状を作ったほうが形状を崩しても説得力のある作品に仕上がると思います」

は、まさにその通りだと思います。
現実世界にあるものをまともにデッサンもできないのに、
入学するといきなり抽象的で前衛的な絵を描き始める、
私の母校「大◯芸術大学」の学生や、
デビューするなり、いきなりアレンジ造型に走る原型師に読ませたいくらいです(笑)
まずはそこに存在するカタチを、きっちりと自分の頭の中の引き出しに入れる!
アレンジはそれからだ!これ基本ですよね!

と…ここまでベタ褒めでしたが、

本職で印刷物のデザインに携わっている自分から苦言を言わせて貰えば…
これは本当にプロが作ったのか?と思えるほど組版が酷い。
とくにメイキング部分!!
写真は虫眼鏡が必要なほど小さいのに、
テキスト部分は、やたら空白が多かったりする見づらいレイアウトと、
まんまテキストボックスにテキスト流し込んだだけで、
行間も文字間調整など全くされていないような文章など、
誌面デザインはもうすこしどうにかならかったのでしょうか?
まるで町内会の会報や学級新聞レベルで、田島さんがあまりに可哀想です。
せっかく作品が素晴らしく、一応CGとは言え美術やデザインにカテゴライズされる本なのですから、
組版にももうちょっと気を使ってほしかったかなと…

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