国内デビュー作「西洋妖怪ダイモン」
これは今から13年前に発売された私の国内デビュー作の
トレーディングフィギュアコレクション 大映特撮シリーズ 妖怪百物語 其 の一の「ダイモン」です。
なぜ「国内」と付けるのかと申しますと、本当のデビュー作はエクスプラス社が海外限定で販売していた「アンギラス」なのですが、
日本では個人輸入でもしなければ買えないシロモノでしたので、これが国内デビュー作となります。
いま観ると…ヘタクソですね〜。
でも怪獣と違い、頭が小さいので高さ10mm幅5mmのしかない頭部を作るのが大変だった記憶があります。
そして本体よりも大変だったのがコレ↓
ダイモンの杖です。
粘土使いの自分には、ウロコとかよりこういう幾何学的な固いモノを作るほうが大変でした。
この仕事が自分のところに来た経緯はこちらをご覧いただくとして、
実は「クルマニクラス」の記事にも少し書きましたが、
このダイモンにはちょっと「恐い話」があるのです。
この「妖怪百物語」シリーズは何人もの原型師が参加して作っていたのですが、
商品製作に先立って行われた四谷神社でのお祓いに呼んで貰えなかった自分たち関西原型師チームは
みんな「祟り」とも言える恐ろしい目にあったのです。
まず私ですが、原型をオーブンで焼いていた最中に、オーブンの蓋を開けたら突然バックドラフトのような現象が起きて、
オーブンから火が噴き出し、幸い火事にはなりませんでしたが、9割近く完成していたダイモンの原型が炭化しました。
時を同じくして「一つ目小僧」を作っていた恐竜造型で有名な徳川くんは、日本在来種で唯一の毒蜘蛛に噛まれダウン。
「から傘(だったかな?)」を作っていた伊藤さんは、自己所有のクルーザーで海に出掛け、
謎のエンジントラブルで遭難し海上保安庁に救助される始末!!
さらに完成した商品サンプルを保管していたら、これまた漏電が原因と思われる小火が発生し、
こちらも発見が早く火事にはなりませんでしたが、ダイモンを含め、ピンポイントでユージンの商品だけが灰になってしまったという…
いままで商品版のユージンの商品の画像が無かったのはそういう理由です。
劇中ではご祈祷をしているお坊さんが焼き殺されるシーンもあり、ただの偶然なんでしょうが、
ダイモンが原型、商品ともに火災に遭い二度も焼失したのは本当に不気味でした。
やはりお祓いをせずに妖怪で商売しようとするとダメですね。
なのでイワクラで妖怪フィギュを作る際には、安倍晴明で有名な京都の清明神社でお祓いをしましたが、
ご祈祷の最中に京都を震源地とした地震が起きて地面が揺れ、
またもや恐い思いをしたものです。
そして今、ブログに写真をUPするために再びダイモンを手に入れましたが、
火の元やコンセントの近くには置かないようにしています。