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カテゴリー「4 ユージンでの仕事」の5件の記事

2014年4月16日 (水)

国内デビュー作「西洋妖怪ダイモン」

Image_2

これは今から13年前に発売された私の国内デビュー作の
トレーディングフィギュアコレクション 大映特撮シリーズ 妖怪百物語 其 の一の「ダイモン」です。
なぜ「国内」と付けるのかと申しますと、本当のデビュー作はエクスプラス社が海外限定で販売していた「アンギラス」なのですが、
日本では個人輸入でもしなければ買えないシロモノでしたので、これが国内デビュー作となります。
いま観ると…ヘタクソですね〜。
でも怪獣と違い、頭が小さいので高さ10mm幅5mmのしかない頭部を作るのが大変だった記憶があります。
そして本体よりも大変だったのがコレ↓

Image1

ダイモンの杖です。
粘土使いの自分には、ウロコとかよりこういう幾何学的な固いモノを作るほうが大変でした。
この仕事が自分のところに来た経緯はこちらをご覧いただくとして、
実は「クルマニクラス」の記事にも少し書きましたが、
このダイモンにはちょっと「恐い話」があるのです。
この「妖怪百物語」シリーズは何人もの原型師が参加して作っていたのですが、
商品製作に先立って行われた四谷神社でのお祓いに呼んで貰えなかった自分たち関西原型師チームは
みんな「祟り」とも言える恐ろしい目にあったのです。

まず私ですが、原型をオーブンで焼いていた最中に、オーブンの蓋を開けたら突然バックドラフトのような現象が起きて、
オーブンから火が噴き出し、幸い火事にはなりませんでしたが、9割近く完成していたダイモンの原型が炭化しました。
時を同じくして「一つ目小僧」を作っていた恐竜造型で有名な徳川くんは、日本在来種で唯一の毒蜘蛛に噛まれダウン。
「から傘(だったかな?)」を作っていた伊藤さんは、自己所有のクルーザーで海に出掛け、
謎のエンジントラブルで遭難し海上保安庁に救助される始末!!

さらに完成した商品サンプルを保管していたら、これまた漏電が原因と思われる小火が発生し、
こちらも発見が早く火事にはなりませんでしたが、ダイモンを含め、ピンポイントでユージンの商品だけが灰になってしまったという…
いままで商品版のユージンの商品の画像が無かったのはそういう理由です。

劇中ではご祈祷をしているお坊さんが焼き殺されるシーンもあり、ただの偶然なんでしょうが、
ダイモンが原型、商品ともに火災に遭い二度も焼失したのは本当に不気味でした。

やはりお祓いをせずに妖怪で商売しようとするとダメですね。
なのでイワクラで妖怪フィギュを作る際には、安倍晴明で有名な京都の清明神社でお祓いをしましたが、
ご祈祷の最中に京都を震源地とした地震が起きて地面が揺れ、
またもや恐い思いをしたものです。

そして今、ブログに写真をUPするために再びダイモンを手に入れましたが、
火の元やコンセントの近くには置かないようにしています。

2014年4月15日 (火)

SR 特撮ヒーローPプロコレクション「クルマニクラス」

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最近デジタルな記事ばかりになりましたので、
久しぶりに過去のアナログ原型の作品も振り返ってみましょう。

ブログの過去の作品を観ていてふと気付いたのですが、
ユージンさんでの仕事で、商品版の画像が無いんですよね。
原型の依頼は受けたけど結局企画倒れになったってのも多いんですが、
商品化までこぎ着けたものも、手元にあった商品サンプルが「恐い事故」により焼失してしまったんですね。
恐い事故ってのはちょっとオカルト系の話になるので、
また今度にしますが、最近ヤフオクでSR 特撮ヒーローPプロコレクションスペクトルマンの
私が原型を担当した「クルマニクラス」を200円で落札できたので画像をUPします。
(※画像は暫定的なものです。後で貼り直します。)

このクルマニクラスは、当時まだスカルピーの造型に慣れていなかった自分のスタンピング実験台みたいな作品です。
痛々しい車のタイヤ痕は、タイヤのトレッドパターンの型を作ってスタンピングで表現しましたが、
その他の体表のディティールも、梅干しの種、ナツメグ、クルミ、しわしわにしたサランラップのスタンピングで再現しました。
押し付けたモールドが素直に転写されるスカルピーのきめの細かさに大喜びして、いろいろ試していましたね〜。
大変資料の少ないキャラクターで苦労しましたが、自分的には結構納得できた作品です。

2005年8月 2日 (火)

ダイモン

ダイモン好きのメカゴジラさんのコメントもいただいたので
私が作った過去の妖怪大戦争のダイモンを2点紹介してみましょう。

DAIMON00これは既に持ってる人も多いでしょうけど、ユージン様のトレーディングフィギュアとして5年前くらいに販売された食玩サイズのダイモンの原型です。
私がスカルピーを使って初めて作ったスカルピーデビュー作でもあります。
まだ焼き方が慣れてないので、あっちこっち黒く焦げてますね(^^;)
思い起こせば、仕事がなくて困っていたフリー時代(そんなんばっかか 笑)先輩原型師の柴田幸房さんから電話がかかってきて、
「妖怪10体以上作らなあかんから何体か作ってぇや」との突然の電話で引き受けたお仕事で、このシリーズでは未発売の2体も含めて4体作ってます。

daimon01 お次はハイパーホビー読者限定としてイワクラから販売されたダイモン胸像です。
製作中の途中経過の写真が残っておりましたので、順を追って紹介していきましょう。

まずいつものように中に入っているスーツアクターを造型します。
ダイモンに入っていたのは大魔神を演じた橋本力さん
上から粘土をかぶせてしまうので、目鼻口の位置さえあっていればいいのですが、
ダイモンの着ぐるみは、人間の目がそのまま露出しますので眼孔周辺はグラフィック社の「
大魔神秘蔵写真集」の橋本力さんへのインタビュー記事の写真を参考に造型します。
口や耳などはここで作っても意味が無いので割愛します。
写真でもわかりますが、黒目さえ入らなければ実は橋本さん、優しい目をされてます。

daimon02 表面にスカルピーを盛り付けていきます。
この映画の妖怪たちの顔の面構成が、日本の能面や仏像などの伝統彫刻に酷似しています。
おそらくこの当時の着ぐるみ製作をしていた人たちは伝統彫刻に日常慣れ親しんでいたのでしょうね。
手元の資料では立体が把握しにくい部分は般若の面などを参考にして造型しました。
写真でもそうですが、まだ現段階ではダイモンは優しい顔をしています。

daimon03 色を付けて完成です。
ご覧のとおり橋本力さんの優しい目は鋭い黒目と、大映京都撮影所に舞い散る特殊効果用の芋粉で充血したといわれる白目を再現することで、こんなに怖いダイモンの顔になってしまうのです。

そんなこんなで完成したダイモン胸像、いつか全身にもチャレンジしてみたいですね。

(C)角川映画 ※画像の無断転載・複製・改変を禁じます。

2005年7月13日 (水)

幻の原型

migisoku05 一般にメーカーからのフィギュア原型製作の依頼というのは、発売が確定していない状態で来ることも多いです。原型は完成したが諸所の事情で、お蔵入りになったという経験は、現在プロで原型師をされているほとんどの人が経験されている事でしょう。

そんな日の目を見なかった気の毒な原型たちの画像がに光を当ててやるのが、このコーナー(^^;)

まずは初代アンギラスです。私がイワクラに入社する前、5年くらい前かな?にユージン様の依頼で作ったものです。

スケールは1/350。材料はいつもどおりスカルピー、背中のトゲのみ折れやすいので、焼くと弾力性のあるゴム状になるラバースカルピーを使用。

syoumen02一番苦労したのは背中と言いたいところですが、実は体表のウロコ。初代アンギラスのウロコ表現は今までにも沢山の原型師さんが苦労されたと思いますが、初代アンギラスのウロコって凹型なんですよ。

真ん中が凹んでフチが盛り上がった皿状のものがいっぱいくっついているんです。

だから単純にモーターツールで凹みを彫るだけでもいけないし、ウロコを貼り付けるだけでもいけないんです。

結局、鼻クソ状(お食事中の方ごめんなさい)に丸めた粘土を貼り付けて中央部をヘラで凹ませて行くという地道な作業でした。

いづれイワクラでも初代アンギは避けて通れないキャラでしょうけど、あの食玩サイズでは、この表現技法は使えないし…さてどうしたものか(^^;)

haimen01 ※このフィギュアの販売の予定や、見込みはございませんので、お問い合わせなどはご遠慮ください。

TM&(C)1955 TOHO CO.,LTD.
※画像の無断転載・複製・改変を禁じます。

フィギュア原型ができるまで…

  フィギュアは伝統工芸と違って、歴史が浅いものなので、これが正解というのはありません。

ここで紹介する方法も 、私独自の方法で、イワクラの後輩原型師たちに教えている方法なので、星の数ほどあるフィギュア製 作方法の一つだと思ってご覧ください。(^^)hannya-rafu

○まずはスケッチ。原型師といえば、誰もがこれをやってそうですが、実は私も含めて部下もこんな事はやっておりません(^^;)絵を描くとそこでイメージが固まってしまうので、打ち合わせに必要な場合などを除いて描くことは無いです。hannya01 hannya02 

○人間であれ着ぐるみ怪獣であれ、人間が演じているキャラクターの場合は、まず人間を作ります。

最終的には粘土で埋まってしまうので、無意味な作業に思われますが、ここをしっかりやっておかないと、後々フォルムが破綻してきます。

もちろん解剖学本に載っているような人間は、西洋体型なので、実際に役を演じた役者さんの体型を作ります。

hannya03hannya04○次は粘土をかぶせて衣装を形作っていきます。怪獣とかの場合は着ぐるみの表皮を作ります。

この時に大事な事は資料をしっかり見る事です。手に入る値段の資料はすべて集めます。ここで資料収集に手を抜いて、イマジネーションに頼ってしまうと、映画のキャラクターの再現ではなく、自分流のキャラクターになってしまいます。

作者の個性を否定しているように見えますが、たとえ資料に忠実に作っていても、必ず作者の個性は出ます。ですからイマジネーションに逃げ込まず、徹底して映画に登場したキャラクターを忠実に再現するように部下にも指導しています。

hannya05

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○古い映画のキャラクターの場合などは、まれに背面の写真がまったく存在しないものもあります。このキャラクターもそうでした。

そういう場合は最終手段として、現存する最も近い衣装などからディティールをパクります。モデルに似た衣装を着せてポーズをとらせるのが最適ですが、フィギュアを一体作るのにモデルを雇っていては赤字になってしまうので、友人や身内に頼むか、ファッション雑誌などを参考に造形します。

同じポーズでも服(着ぐるみ)の素材や厚みによって、シワの入り方も変わってきます。資料を観て造形した部分と想像で補った部分を違和感の無いように気をつけて仕上げていきます。hannya11

○人形は顔が命!!資料とフィギュアを見比べながら、自我を殺して作業するのは精神力を消費します。モチベーションの量は限られていますので、私の場合は全体のフォルムを作った後は顔の仕上げから入ります。

ですがここでは実験的に顔を最後にしてみました。

やはりモチベーション切れが近いのでしんどかったです(^^;)

…という事で身長7センチの「妖怪大戦争」の般若が完成しました。これは5年前にユージン様の依頼で製作したフィギュアですが、商品化の予定などはございませんのでイワクラへのお問い合わせなどはご遠慮いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

(C)角川映画 ※画像の無断転載・複製・改変を禁じます。