デジハリ「デジタル原型師」育成オンライン講座 レビュー(3)
二つ目の課題の「ツタンラーメン」です。
解説もとても分かり易くゆったり進むので、特に理解しづらい部分は無かったです。
やはり原型製作に特化したカリキュラムなので、情報のてんこ盛りになるという事はないので、
初心者にはこれはメリットですね。
ただし、ひとつだけ注意点があります。
これからこの講座を受講される方は是非気をつけて欲しいのですが、
・作ったモノがたとえ作例と似ていなくても、とりあえず次のレッスンを観てみる事です。
わかりやすく例え話で申し上げますと、
たとえば料理番組などで、オーブンに入れる前の料理と、オーブンから出て来た料理がまるで別物(笑)とか、
CM前の作りかけの料理と、CM後の試食タイムの出来上がった料理がまるで別物(笑)という場面がよくありますよね。
まさにそれです。
なので、前のレッスンで作例と寸分違わぬモノをスカルプトしても、
次のレッスンがはじまると前回作例からかなりブラッシュアップされて
カタチが変わってしまったモノが登場したりします。
そしてそのブラッシュアップされたモノを使って、その後のレッスンは進んで行きます。
これはこの講座のすべての課題作品に共通して言える事なので、
はやる気持ちを押さえて、とりあえず一つ先のレッスンを観てから、
一つ先のレッスンに登場しているモノをゴール地点だと思って作業していけば、
スムーズにレッスンを進めていけると思います。
もっとも、あくまで課題は課題なので、そこまで作例に似せる必要があるのか?という考え方もあるかもしれませんが、
いついかなる時でもクライアントを意識して、作例や資料を尊重するというプロ意識は持ちたいものです。
原型で飯喰うようになると、自分の作りたいように作れる仕事なんて90%ありません!!←元プロ原型師の私が言います!間違い無いです!
という事で「ツタンラーメン」ですが、
このキャラクターは幾何学的な要素が多く「ぴーちゃん」に比べたら、タブレット操作にかなり精度を要求されます。
自分は仕事でアドビのIllustratorを使っており、たった1mmのズレが始末書モノという生活を送っておりますので、
幾何学的な要素を含んだ作業はキッチリと作らないと落ち着かないのですが、
頭にかぶっている冠は、真っすぐな線をフリーハンドで引いてマスクで塗りつぶしていくという場面がでてきます。
線を引く時にブレをある程度補正するLazyMouse(レイジーマウス)という機能はありますが、
それでもタブレットに慣れてないとプルプルしちゃいます。
こんな凄いソフトなのに、Illustratorのように簡単にポイントを打って多角形を作ったり、
ベジェ曲線のように描いた後アンカーポイントを使って調整したりできんの?
なんでこんなに一発勝負のソフトなの!!
線を引いてる最中にクシャミしたらアウトじゃん!!と頭の中で混乱しつつ、
まあこれはZBrushであってIllustratorでは無いのだからと自分をなだめ作業してました(苦笑)
そして、この課題の後半は、ブーリアン機能を使った楽しい楽しい分割作業です。
これはアナログ原型師だった自分にとっては驚きでした。
パーツの分割やダボの作成って、アナログ原型では結構難しく、
かつ破損などのリスクも高いのですけど、
こんなに自由自在に分割出来るもんなんですね。
ZBrushをはじめて触った時に自動的にシンメトリーで造型してくれる機能にデジタル造型のメリットを感じましたが、
アナログ造型では地味だけど非常に重要で大変な分割作業が
容易にできるのは、それと同じくらい大きなメリットですね。